“貯蓄型保険”が悪者扱いされる本当の理由 2025-11-05 10:03:36

“貯蓄型保険”が悪者扱いされる本当の理由
目次
―「損か得か」だけでは語れないお金の真実―
「貯蓄型保険はやめとけ」「保険で貯金は非効率」
ここ数年、SNSやマネー系YouTuberでそんな言葉をよく目にします。
確かに、今の低金利環境では、保険でお金を増やすのは難しい。
でも、「だから貯蓄型保険は全部ダメ」と結論づけるのは、実は少し早計です。
なぜなら、貯蓄型保険が「悪者」にされる理由の多くは、誤解・偏見・時代のズレによるものだからです。
実際にFP相談の現場では、「知っていたらもっと上手に使えたのに」という声が非常に多いのです。
では、なぜ貯蓄型保険がここまで批判されるようになったのか。
その背景と、実は“上手に使えば得をする”本当の理由を整理してみましょう。
■そもそも「貯蓄型保険」とは?
貯蓄型保険とは、保障+貯蓄の機能を合わせ持つ保険のことです。
●終身保険:亡くなったときの保障+解約返戻金
●学資保険:教育資金の積立+親の万一時の保障
●養老保険:満期保険金で貯蓄のように受け取れる
月々の保険料の一部が積立金として運用され、
満期や解約時に戻ってくる仕組みです。
つまり、「保険に入りながら貯金もできる」という設計。
ですが、この“二刀流”こそが、批判の的になっているのです。
■理由①:「投資商品」と比べると“見劣りする”
批判の最も大きな理由は、「運用効率の低さ」です。
いわゆる「投資信託」「NISA」などの投資商品と比較されると、
確かに、保険の返戻率は見劣りします。
例えば、30年間積み立てて返戻率が110%だったとしても、
投資で年利3%運用できれば、約240%にもなります。
数字だけ見れば「非効率」に感じるのは当然です。
しかし、ここで見落としがちなのが、目的の違い。
投資は「増やす」ためのもので、保険は「守る」ためのもの。
性格が違うものを、同じ物差しで比べてしまっているのです。
■理由②:「途中で解約すると損をする」
もう一つの理由は、解約タイミングの問題です。
貯蓄型保険は“長期継続”を前提にして設計されています。
そのため、加入から数年以内に解約すると返戻金が元本を下回るケースが多い。
「10年でようやくプラスになる」
「途中で使えない」
という声の裏には、“短期利用に向かない”という特性があるのです。
本来は「老後」「教育費」「死亡保障」など長期の目的で使うべき商品を、
短期貯金のように扱ってしまうことが、損の原因になっています。
■理由③:「営業トーク」が誤解を招いた
そして見逃せないのが、販売現場の歴史です。
かつては「貯金代わりにどうですか?」「増えますよ」と、
“投資商品”的なイメージで売られていた時期がありました。
結果として、貯蓄型保険に「増える期待」を持った人が多く、
現実とのギャップで「やっぱり損じゃないか」という不満が生まれたのです。
つまり、保険が悪いのではなく、伝え方の問題。
「保障が主」「貯蓄は副」という本来の位置づけを理解せず契約した人ほど、
後悔しやすい傾向にあります。
■それでも“選ばれる”3つの理由
ここまで読むと、「やっぱり貯蓄型保険は損」と思うかもしれません。
ですが、FP相談では今も一定の支持があります。
その理由は、数字では測れない“安心の設計”にあります。
①強制的にお金が貯まる
投資や貯金は「気が向いたら」「余裕ができたら」になりがち。
貯蓄型保険は“自動引き落とし”で強制的に積立てられるため、
「気づいたら貯まっていた」という効果が期待できます。
②元本保証・満期金の安心
契約条件によりますが、満期時に元本割れしないタイプが多く、
「最低限のリターン+保障」が同時に手に入るのが強み。
暴落の不安を抱えることなく、計画的に資金準備できます。
③亡くなっても家族に資金が残る
積立途中に万一のことがあっても、死亡保険金が支払われる。
これは投資や銀行預金にはない“家族を守る仕組み”です。
■本当の問題は「損得」ではなく「目的のズレ」
多くの人が貯蓄型保険で損をしたと感じるのは、
「なぜ入ったのか」を明確にしないまま契約してしまったからです。
●教育費を確実に貯めたい
●老後資金をリスク少なく準備したい
●万一のとき家族に残したい
こうした目的に沿っていれば、貯蓄型保険は理にかなった選択肢。
一方、「短期でお金を増やしたい」「運用を楽しみたい」なら、
NISA・投資信託などの方が正解です。
つまり、保険が悪いのではなく、“使い方が合っていない”だけなのです。
■FPの現場で見えるリアルな声
実際に相談を受けていると、次のようなケースが多いです。
●「貯金が苦手だったけど、保険でなら続けられた」
●「子どもの教育費がちょうど学資保険の満期で助かった」
●「夫婦で加入していた終身保険が、相続対策に役立った」
つまり、目的に合った形で使えば非常に有効なのです。
「お金を増やす」よりも、「お金を守り、確実に残す」ためのツールとしては、
今も変わらず強い存在意義があります。
■「悪者扱い」の背景にある時代の変化
もう一つ重要なのが、時代の価値観の変化です。
かつては金利が高く、貯蓄型保険の返戻率も良好でした。
しかし、超低金利時代に入り、リターンが減少。
その結果、「保険で貯めるのは効率が悪い」という意見が増えました。
また、SNSやYouTubeの情報発信者が増え、
「投資こそ正義」という風潮が強まったことも影響しています。
ただし、すべての人が投資に向いているわけではありません。
リスクを取れない人、計画的に貯めたい人にとって、
貯蓄型保険は“安心して続けられる仕組み”なのです。
■まとめ:「悪者」なのは保険ではなく“誤解”
結論として、貯蓄型保険が悪者扱いされる理由は
「商品が悪い」からではなく、
情報の偏りと目的の不一致にあります。
●確かに運用効率は高くない
●途中解約には注意が必要
●でも、目的が合えば堅実な選択肢になる
つまり、「損か得か」ではなく、
「あなたの人生に合っているか」で判断すべきなのです。
やさしい保険では、「保険」と「資産形成」をセットで考えるアドバイスを行っています。
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