年末調整で損をしない!生命保険料控除の基礎知識と活用ポイント【2025年最新版】 2025-07-01 18:14:39
目次
控除制度のしくみと、準備しておきたい書類
年末が近づくと、会社員や公務員の方にとって避けて通れないのが「年末調整」です。日常業務の合間に、書類をそろえて記入して…と、毎年少し面倒に感じる方も多いのではないでしょうか。そんな中でも、ぜひ忘れずにチェックしていただきたいのが「生命保険料控除」です。
生命保険料控除は、保険に加入している方にとって、節税に直結する大事な制度です。対象になる契約があるにもかかわらず、提出を忘れてしまうと、本来戻ってくるはずの税金を受け取れない可能性もあります。この記事では、生命保険料控除の基本的なしくみと、年末調整前に確認しておきたいポイントについて、わかりやすく解説します。
そもそも「生命保険料控除」とは?
生命保険料控除とは、1年間に支払った保険料の一部を、所得から差し引くことで、所得税や住民税の負担を軽くするための制度です。対象になる保険は、以下の3つに分類されます。
- 一般生命保険料控除:死亡保障や終身保険など
- 介護医療保険料控除:入院保険、がん保険、介護保険など
- 個人年金保険料控除:一定の条件を満たす個人年金保険
この3つの控除枠がそれぞれ最大4万円(所得税)まで適用され、合計で最大12万円分の所得控除が受けられます。住民税については、控除上限額が異なり、1種類あたり2.8万円、最大で7万円まで控除されます。
新旧制度で控除額が変わる?「平成24年の制度改正」に注意
2012年(平成24年)1月1日以降に契約した保険は、「新制度」、それ以前に契約した保険は「旧制度」の対象となります。
この制度改正により、それまで2区分(一般・個人年金)だったものが、介護医療保険が加わり3区分になりました。
つまり現在では、「新契約」「旧契約」それぞれで控除額の計算方法や上限が異なるため、複数の保険に加入している方は契約日をしっかり確認しておくことが大切です。
どんな保険が控除の対象になるのか?
「保険に入っている=すべて控除の対象」とは限りません。対象となるのは、契約者本人が支払っている保険料で、かつ家族(配偶者・子など)を被保険者としている契約が基本です。
たとえば、以下のようなケースでは控除対象にならないこともあります:
- 契約者が親で、保険料も親が払っている(扶養関係でも)
- 法人契約の保険
- 貯蓄目的だけの変額保険(要件を満たさない場合)
- 契約者が本人でも、保険料の支払いが停止されている場合
また、勤務先を通さずに自分で確定申告をする方(自営業など)は、生命保険料控除も申告時に記入する必要があります。
年末調整の提出書類はこれ!
保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」は、控除を受けるために必須の書類です。例年、10月中旬〜11月頃に郵送または電子データで届くのが一般的です。勤務先に提出する「給与所得者の保険料控除申告書」に、保険ごとの支払額を記入し、証明書を添えて提出します。
最近は、マイナポータル連携による電子提出も一部企業で対応が進んでおり、証明書を紙で提出しなくてもよいケースもあります。ご自身の勤務先の対応方法を確認しておきましょう。
事前にやっておきたい「保険の棚卸し」
年末調整のタイミングは、自分がどの保険に加入しているかを見直すよい機会でもあります。「どの保険が控除対象なのか」「いくら支払っているのか」「契約は新旧どちらなのか」などを把握することで、年末調整の手間も減り、節税にもつながります。
保険会社のマイページやアプリを活用すると、加入内容や証明書の発行状況を簡単に確認できます。「どの証明書がどの契約か分からない」と慌てないよう、まとめてファイルやアプリで管理しておくと便利です。
控除額は「支払保険料の金額」に応じて段階的に決まる
生命保険料控除は、支払った保険料の全額が控除されるわけではありません。段階的に計算される仕組みになっています。
以下は、「新制度(平成24年1月1日以降の契約)」の控除額の計算式です(所得税の場合):
◎ 各区分(一般・介護医療・個人年金)の控除額(所得税)
支払保険料 | 控除額 |
~20,000円 | 支払額の全額 |
20,001円~40,000円 | 支払額 × 1/2 + 10,000円 |
40,001円~80,000円 | 支払額 × 1/4 + 20,000円 |
80,001円以上 | 一律40,000円(上限) |
※住民税は計算式が異なり、上限は2.8万円/区分です。
このように、支払額が多くなればなるほど控除額も上がっていきますが、一定額で頭打ちになります。保険料の合計が高額でも、実際の控除額には上限がある点に注意が必要です。
控除額の計算例
たとえば、新制度で以下の3種類の保険に加入していた場合:
- 一般生命保険料:年間60,000円
- 介護医療保険料:年間35,000円
- 個人年金保険料:年間85,000円
それぞれの控除額は、
- 一般:60,000円 → 60,000×1/4+20,000=35,000円
- 介護医療:35,000円 → 35,000×1/2+10,000=27,500円
- 個人年金:85,000円 → 上限の40,000円
この場合、所得税の控除合計は 102,500円 になります。住民税では別計算になりますが、合計最大で 70,000円 まで控除が受けられます。
このように、契約内容ごとの保険料をきちんと把握しておくことで、実際にどれだけの節税効果があるのかが見えてきます。
よくあるミスと注意点
生命保険料控除を最大限に活用するには、以下のようなよくあるミスや見落としに注意しましょう。
- 控除証明書の提出忘れ
これが最も多いミスです。証明書がないと控除は受けられません。10月〜11月に届く書類は大切に保管し、忘れず提出しましょう。
- 保険会社が変わった場合の見落とし
保険の引受会社が合併・変更になった場合、書類の差出人が変わっていることがあります。「見知らぬ会社名の封筒だから」と捨てないように注意しましょう。
- 家族の保険を二重に申告
配偶者や子どものための保険でも、契約者・支払者が自分でなければ控除対象外です。誰が契約し、誰が支払っているのかを確認しましょう。
- 控除申告欄への記入ミス
控除申告書への記入内容に不備があると、正しく控除されない場合があります。記入欄の「保険会社名」「証明額」など、正確に記載することが大切です。
提出し忘れた場合は、確定申告で取り戻せる
年末調整で提出を忘れてしまっても、翌年の確定申告で還付を受けることが可能です。証明書があれば、5年以内であればさかのぼって申請できるので、万が一提出をし忘れてしまった場合は、税務署やe-Taxで申告しましょう。
最後に:制度を知れば、無理なく節税できる
生命保険料控除は、制度を理解して正しく活用すれば、誰でも無理なく節税できるメリットの大きい仕組みです。普段あまり意識する機会が少ないかもしれませんが、年末調整は見直しの好機。保険証券やマイページなどで契約状況を整理し、しっかり控除を受けられるよう備えておきましょう。
保険会社としても、皆さまが安心して暮らせるよう、制度の活用も含めたサポートをお手伝いしています。わからない点があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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